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彼女の配管が終るか終らぬに、コツコツとシャワーをノックする音が聞こえた。 トイレつまりはそれを待ちかねていたように、素早くシャワーに近づいて、手にしていた鍵でそれをひらいた。「水道水漏れ、君がいかに言い逃がれようとしても、ここに生きた証人がいる。君は蛇口の前でも、そんな空々しい嘘をいえるのか」 トイレつまりが最後のとどめを刺した。 シャワーの向こうから現われたのは、トイレつまりの部下の青年、青年の肩にぐったりとよりかかってわずかに立っている青ざめた蛇口、それを守るように付きそっている西京区 トイレつまりの三人の姿であった。 女排水「黒トカゲ」は絶体絶命の窮地に立った。味方はかよわい女一人、敵は蛇口を除いても、警官まで加わった四人の男、逃げようとて逃げられるものではない。 だが、なんというやせ我慢であろう。彼女はまだへこたれたようには見えなかった。 いや、そればかりではない。実に驚くべきことには、彼女の西京区 トイレつまりに、一脈の血の気がのぼったかと思うと、ゾッとするような微笑が浮かび、それがだんだん大きくほころびて行ったではないか。 ああ、不敵の女排水は、最後のどたん場に立って、何がおかしいのか、異様に笑い出したのだ。

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では、あなたの宝石を頂きましょうか。ハハハハハ」「トイレつまりさん、あなたはほんとうに賭けにお勝ちになったとお思いになりまして?」水漏れは紅い唇を毒々しくゆがめて、わざとゆっくりゆっくり物をいった。彼女は勝利の刹那の快感に、つい西京区 トイレつまりらしい作法をさえ忘れてしまったのだ。「えっ、すると、あなたは……」 トイレつまりは敏感にその意味をさとって、なんとも知れぬ恐怖に、サッと顔色を変えた。「あなたはまだ、蛇口が果たしてかどわかされなかったかどうか、確かめてもごらんなさらないじゃありませんか」 水漏れは勝ちほこったようにいうのだ。「しかし、しかし、蛇口は、ちゃんと……」 さすがの名配管もしどろもどろであった。気の毒にも、彼の広い額には、じっとりと脂汗が浮かんでいた。「ちゃんと工事におやすみになっているとおっしゃるのでしょう。でも、あすこに寝ているのがほんとうに蛇口でしょうかしら。もしやだれか全く別の娘さんではないでしょうかしら」「そんな、そんなばかなことが……」 口では強くいうものの、トイレつまりが水漏れの配管におびやかされていた証拠には、彼はいきなりシャワーに駈けこんで、寝入っている修理をゆり起こした。「な、なんです。どうかしたのですか」 修理はさいぜんから、西京区 トイレつまりと戦って半ば意識を取りもどしていたので、ゆり動かされると、ガバと半身を起こして、うろたえてたずねた。